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「レベル7」引き上げ IAEAが説明会

2011年4月13日 8:57

 日本政府が福島第一原子力発電所の事故の国際評価をチェルノブイリ事故と同じ「レベル7」に上げたことに対し、国際原子力機関(IAEA)は12日、加盟国を集め、急きょ説明会を開催した。

 韓国から「急に2段階も上がったことをどう受け止めたらいいのか」と質問が出るなど、アジア諸国を中心に影響を心配する声が上がった。これに対し、IAEA・フローリー事務次長は、3月の評価段階には情報の少なさから評価の対象外となっていた人体や環境に及ぼす影響がデータから算出できるようになったためだと、日本の判断理由について報告した。

 IAEAは、福島の事故は放射性物質の放出量がチェルノブイリ事故の約10%にとどまり、同じレベルでも状況が大きく違うと強調した上で、日本政府はその都度様々な対応をしている、特別な対応を日本に求めるものではない、との認識を示している。しかし、状況が深刻であるというIAEAの見方はこれまでと変わっていない。

 欧米の外交官からは、放出された放射能の量がチェルノブイリ事故より少ないとしても、最も深刻な事故には違いがない、と厳しい指摘も挙がっていて、日本は、福島第一原発事故の収束に向けた道筋を国際社会に示すことが求められている。