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世界2例目の「レベル7」 先例との違いも

2011年4月12日 17:39
世界2例目の「レベル7」 先例との違いも

 福島第一原子力発電所の事故について、経産省の原子力安全・保安院は12日、事故の深刻度を表す評価を最も深刻な「レベル7」に引き上げると発表した。放射性物質が広い範囲に流出していることを受けたもので、「レベル7」は旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故と並ぶ評価で、世界で2例目となる。

 しかし、福島第一原発から放出された放射性物質の量は、大量の放射性物質が一気に大気中に放出されたチェルノブイリ原発の1割だという。さらに、チェルノブイリ原発事故では約30人が死亡しているのに対し、福島第一原発では事故による死者は出ていない。また、汚染の範囲もチェルノブイリ事故よりも狭いと、保安院は説明している。

 保安院は、12日の会見で「(チェルノブイリ原発事故では)多量の放射性物質が原子炉そのものから爆発的に出て、広範囲に拡散した。他方、福島第一原発では、原子力格納容器や圧力容器は多少の放射性物質の漏れはあるが、まだ原形をとどめた働きをしている」と話した。