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高濃度汚染水の移送作業、11日にずれ込み

2011年4月11日 1:50
高濃度汚染水の移送作業、11日にずれ込み

 福島第一原子力発電所では、2号機の作業用トンネルにたまっている高濃度の放射性物質を含む汚染水を復水器に移す作業を10日から行う予定だったが、11日にずれ込むことになった。

 福島第一原発では、タービン建屋やトレンチと呼ばれる作業用トンネルに高濃度の放射性物質を含む汚染水がたまっており、冷却機能復旧の妨げとなっている。「東京電力」は、この汚染水を同じ建屋内の復水器に移す作業を10日に始める予定だったが、11日にずれ込むことになった。東京電力と経産省の原子力安全・保安院は、遅れている理由について「復水器の健全性や作業手順の確認を慎重に行っているため」と話している。

 また、復水器以外の汚染水の移送先となる集中廃棄物処理施設では、施設を空にするため、低レベルの放射性物質を含む汚染水の放出が続けられてきた。放出は10日に終了する予定だったが、最終的な確認は取れておらず、11日に発表される見通し。

 こうした中、原発の敷地内に散乱しているがれきを片づけるため、遠隔操作できる重機を使っての作業が10日に始まった。がれきの撤去により、作業の効率が上がることが期待されている。

 また、東京電力は10日、体調不良で一時入院していた清水社長が震災から1か月となる11日に、謝罪のため福島県を訪れることを検討していると明らかにした。しかし、福島県は先月、訪問を断っており、訪問ができなければ本店で記者会見する予定。