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高濃度汚染水の流出が止まる 福島第一原発

2011年4月6日 20:14
高濃度汚染水の流出が止まる 福島第一原発

 福島第一原子力発電所から海に流れ出ていた高い濃度の放射性物質を含む汚染水は6日朝、特殊な薬剤を注入したことで流出が止まった。

 福島第一原発では、2号機の海側にあるピット付近のひび割れから汚染水の流出が続いていた。汚染水は、ピットやトンネルの下に敷き詰められた砂利の部分を通って漏れていたことから、5日から「水ガラス」と呼ばれる水をせき止める薬剤を注入し、砂利の部分を固める作業が行われてきた。作業は5日に夜通し行われ、ピットの周辺9か所に薬剤約6000リットルが注入された。その結果、6日午前5時38分に水の流出が止まったという。

 経産省の原子力安全・保安院は、水の流出を止めたことで他の場所で新たに水が漏れたり、たまり水の水位が上昇したりする可能性があるとして、監視を続けることにしている。

 一方、高濃度の放射性物質で汚染された水をためる場所を確保するために、低レベルの汚染水の放出が続けられている。廃棄物の処理施設にたまっている汚染水は6日午前6時半までに約6000トンが放出され、残りの約2000トンも今後放出される予定。また、5号機、6号機周辺の地下にたまった汚染水の放出には、あと数日かかる見通し。

 この汚染水が全て放出された後、空になった廃棄物の処理施設はひび割れなどがないか綿密なチェックが行われ、2号機のタービン建屋などにたまっている高い濃度の汚染水を移送する予定。