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汚染水の流出、吸水ポリマー注入も止まらず

2011年4月4日 2:17
汚染水の流出、吸水ポリマー注入も止まらず

 福島第一原子力発電所では、高濃度の放射性物質を含む水が海に流れ出しているのを、水を吸うと膨らむ化学物質を流し込むなどしてせき止めようとしたが、3日は流出が止まらなかった。

 汚染水が流れ出ていたのは、2号機の取水口の近くにある「ピット」と呼ばれるたて穴。ピットは電源ケーブルが通るトンネルで、側面のひび割れから汚染水が海に流れ出ていた。

 「東京電力」は2日、ピットにコンクリートを流し込んだが、汚染水の流出は止まらなかった。このため、3日は、ピットより上流側の天井に穴を開けて、水を吸収すると体積が約20倍に膨らむ「吸水ポリマー」という化学物質を流し込んだり、おがくずや新聞紙を投入したりしたが、流出は止まらなかった。

 東京電力では、効果が出るかを見極めたいとする一方で、今後、色のついた水を入れて汚染水の流れを特定する他、効果がない場合は別の対策をとる方針。

 一方、1号機から3号機では、原子炉内の核燃料を冷やすためにポンプで真水を注入しているが、ポンプを動かす仮設のディーゼル電源が3日、外部電源に切り替わった。これによって、より安定的に冷却できることが期待される。

 しかし、原子炉の中の冷やすための水は、汚染水として外部へ漏れ、海へ流れ出ているとみられており、原子炉を冷やすための注水と汚染水の流出のバランスをどうとるかが課題となっている。