首相が震災後初の国会審議「視察は有効」
菅直人首相は29日、東日本大震災発生後初めて国会審議に臨んでいる。野党側は政府の対応を追及している。
29日の参議院予算委員会で、自民党・礒崎陽輔議員は、菅首相が地震の翌日に福島第一原子力発電所を視察したことについて「初動に大きな禍根を残した」と批判した。菅首相は「視察はその後の対策に有効だった」と強調した。
礒崎議員「最高指揮官は本部にいて軍配を振るう。それがあなたの仕事じゃなかったのか。それを放棄したらダメじゃないですか」
菅首相「陣頭指揮という言葉にもあるように、ある部分、しっかりと現地を把握しなければならない、あるいは把握した方がいい問題もある。その後の経緯を考えると、現地に行って現地の責任者、第一発電所所長に短時間ではあるが会って、直接話を聞いた、あるいはその人物を見たことは、その後の対策を立てる上で極めて有効であったと思っている」
視察によって原子炉内の圧力を下げる「ベント」が遅れたとの指摘について、菅首相は「一環してベントを行う方針を『東京電力』に伝えていた。指摘は全くあたらない」と反論した。
また、菅首相は「今後起こりうるシナリオ全てを想定して対処案を準備する」と述べた。
一方、礒崎議員は原発の半径20キロから30キロ圏内の住民の屋内退避について「退避は一時的な避難のことで、解除するか避難に変えるか、一刻も早く決めるべきだ」と指摘した。これに対し、海江田経産相は「もう一度議論して結論を出したい」と述べた。