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原発付近の海水から1250倍の放射性物質

2011年3月26日 13:21
原発付近の海水から1250倍の放射性物質

 福島第一原子力発電所の放水口付近の海水から、国の基準の1250倍という高い濃度の放射性物質が検出された。経産省の原子力安全・保安院は「周辺の住民に直ちに影響があるとは考えていない」としている。

 原子力安全・保安院によると、「東京電力」が25日、福島第一原発の放水口の南330メートルで採取した海水から、国の基準の1250.8倍の放射性ヨウ素131が、79.6倍の放射性セシウム137が検出された。この値について、保安院・西山英彦審議官は「500ミリリットル飲むと、一般人の年間の(放射)線量の望ましい値、1ミリシーベルトになる」と話した。

 福島第一原発は、作業員が被ばくした3号機に加え、1号機と2号機のタービン建屋の水たまりからも高い濃度の放射性物質が検出されている。これと同じ汚染された水が海にも流れ出た可能性がある。

 福島第一原発付近の海水からは、今月21日の調査で基準値の126.7倍の放射性ヨウ素131が、16.5倍の放射性セシウム137が検出されていた。今回、これを超える濃度の放射性物質が検出されたが、現在はこの20キロ圏内では漁業が行われていないことや、沖合30キロでの調査では変化がないことから、海の生き物に取り込まれたり、人が魚介類などを食べたりするまでに相当程度薄まるとみられる。

 保安院は「周辺の住民に直ちに影響があるとは考えていない」としている。