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福島第一原発、燃料棒の損傷拡大の可能性

2011年3月16日 7:52
福島第一原発、燃料棒の損傷拡大の可能性

 東日本大地震で被災し、深刻な状況が続く福島第一原発について、「東京電力」は、2つの原子炉の燃料棒の損傷が拡大している可能性があることを明らかにした。

 東京電力によると、15日午後3時25分に格納容器の中の放射線量を計測した結果、1号機の燃料棒の70%が損傷している可能性があることがわかった。東京電力はこの損傷について、燃料棒の中にあるウランを覆っている金属に小さなヒビや穴ができている可能性があると説明している。この2時間前には、損傷率は43%との計測結果が出ていて、短時間のうちに損傷が進んでいる可能性があるという。

 また、2号機でも同じように燃料棒の33%が損傷している可能性があるという。3号機では、計測器が壊れて測定ができなかった。

 この計測結果について、東京電力は「ウラン燃料がすぐに溶け出すほどではないが、危険な状態が続いている」と説明している。

 福島第一原発の1号機、2号機、3号機は、炉心の温度が一定以下に下がっているものの、依然として予断を許さない状況が続いている。東京電力は、事態を打開するため、懸命の作業を続けているが、発電所の付近では高濃度の放射線が検出されていて、制御室では作業員が常に作業をするのは困難だという。地震の影響で常用の電源が使えなくなり、非常用の電源に頼らざるを得ない状況だという。