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津波対策、限界を超えていた~地震専門家

2011年3月14日 3:25
津波対策、限界を超えていた~地震専門家

 東日本大地震で大きな被害をもたらした津波について、専門家は、防潮堤などの対策の限界をはるかに超える大きさだったと分析している。また、今後の余震活動の見通しについては「地震が巨大すぎて、これまでの経験は当てはまらない」と述べている。

 東京・文京区の東京大学地震研究所では、11日の地震発生直後から情報の収集と分析を行っている。

 研究所のスタッフによると、今回の地震の震源域は東北から関東までの約500キロに及んでおり、活発な余震活動が続いている。纐纈一起教授は「地震の巨大さを考えれば、余震が続く期間は圧倒的に長いと思います」、加藤照之教授は「今回は今までの地震と違う巨大な地震だから、今までの統計的な扱いをそのまま当てはめていいかは、ちょっと疑問かもしれませんね。我々も全然経験のないことなので」と話した。

 今後は、これまでに余震が起きている範囲の外側でも、地震が発生するおそれがあると指摘する専門家もいる。

 今回の津波については、防潮堤を高くすることなどの津波対策の限界をはるかに超える大きさだったと分析している。古村孝志教授は「防潮堤を造る、防潮堤をかさ上げする対策は今までとられてきたんですね。チリ地震が起きたりしても、今までは守られてきた。ただ、今回の津波ははるかにそれを上回るような大きさだったために、防潮堤も乗り越えてしまった。震源の真上にできたのは3~4メートル、それが陸に近づくと速度が遅くなって高くなる。湾では津波が集まってくる性質がある。津波がたくさん集まると、高さが高くなるし、湾は、津波が中に閉じ込められ、いつまでも続く。そうやってどんどん浸水が進む効果もある」と話している。

 東京大学地震研究所では「余震はだんだん小さくなるとは限らないので、警戒を続けてほしい」と話している。