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三陸沖地震、宮城沖地震との関連性わからず

2011年3月9日 20:39

 政府の地震調査委員会委員長で東京大学・阿部勝征名誉教授は、9日昼前に発生した三陸沖の地震について、「将来、発生が懸念されている宮城沖地震と共通点はあるものの、震源の距離が約100キロも離れていて、関連性は判断できない」と述べた。

 9日昼過ぎから文科省で開かれた政府の地震調査委員会の定例会では、昼前に発生した三陸沖の地震について報告は行われたが、データなどが間に合わず、評価や議論は行われなかった。その後の会見で、調査委員会の阿部委員長は、個人的な感想と断った上で、「プレート境界で発生する逆断層型地震など、想定される宮城沖地震と共通点はあるものの、9日の地震の震源が東に約100キロも離れていて、現時点では関連性は判断できない」と語った。

 政府の地震調査研究推進本部によると、想定される宮城沖地震は、今後30年以内に発生する確率が99%と全国で最も高く、宮城県内の一部で震度6強の強い揺れが予想されている。また、阿部委員長は、9日の震源付近では、過去に発生した地震後に比較的規模の大きな余震が1週間程度続いたことがあるとして、余震活動に十分注意してほしいと話している。