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混乱続くエジプト、足止めの日本人が出国

2011年1月31日 12:47

 反政府デモが続くエジプトの首都・カイロでは、デモ隊と政府側のにらみ合いが続いている。依然、緊張が続く中、空港で足止めされていた日本人を乗せた旅客機2機が30日、現地を出発した。

 カイロでは30日、自宅軟禁を解かれたノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ氏もデモに参加し、あらためてムバラク大統領の辞任を求めた。一方、ムバラク大統領は自ら治安対策の指揮を執る姿を国営テレビで放送した他、軍の戦闘機やヘリコプターを低空飛行させてデモ隊を威圧するなど権力を維持する姿勢を崩していない。

 空港で足止めとなっていた日本人だが、「エジプト航空」と「カタール航空」の旅客機がカイロを出発し、約350人が出国した。また、日本政府は180人乗りの旅客機を1機借り上げることを決め、31日午前からカイロとイタリア・ローマを3往復させるという

 現地の混乱はしばらく続くとみられており、国内の大手旅行会社各社もエジプトへのツアーを当面中止することを決めている。「JTB」と「阪急交通社」は来月中、「H.I.S」は来月3日まで、「近畿日本ツーリスト」は来月4日まで中止するという。