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混乱続くチュニジア、警官も反政府デモ参加

2011年1月23日 8:52

 独裁政権が崩壊した北アフリカ・チュニジアでは、治安を保つ側である警察官が反政府デモに参加するなど、不安定な情勢が続いている。

 ガンヌーシ首相はテレビ番組の中で、選挙で新政権が誕生した後は政界から引退することを約束。また、前大統領の側近らを拘束して事情聴取を行うなど、政府側は市民の怒りを静めるために矢継ぎ早に対策を打ち出している。

 23年にわたって強権支配に耐え続けてきた人々の怒りは根深く、首都・チュニスでは22日も数千人規模の反政府デモが行われた。制服姿の警察官も集団で市民のデモに加わり、一緒にシュプレヒコールを上げていた。警官の一人は「日本のテレビから世界の人々に伝えてくれ。我々警官だって、奴隷のようにこき使われるのはもうたくさんだ」と話した。

 チュニスだけではなく、チュニジア全土で警察官が反政府デモに加わり始め、政府を支えてきた権力基盤は、もはやタガが外れかかっている状況だ。

 また、隣国のアルジェリアでも22日、反政府デモが行われ、40人以上がケガをした。さらに東欧・アルバニアでも、反政府デモが暴徒化して死者が出るなど、チュニジアの民主化運動の影響は広がりを見せ始めている。