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結論ありきの捜査、“可視化”も~最高検

2010年12月25日 1:12
結論ありきの捜査、“可視化”も~最高検

 厚労省の元局長・村木厚子さんが無罪になった事件について、最高検は24日、「結論ありきの捜査で、組織的なチェックがなかった」とする検証結果を公表した。

 最高検は検証結果の中で「捜査や検討が不十分だった」として、「村木さんを逮捕・起訴した判断は誤りだった」と指摘した。また、その過程で行われたデータの改ざんは、大阪地検特捜部の前部長・大坪弘道被告の指示を受けた元主任検事・前田恒彦被告が、村木さんの検挙にこだわったことが背景にあると指摘した。前田被告は、大坪被告から「何とか村木氏までやりたい」「君に与えられたミッションだからな」などと指示されていたという。さらに、捜査の内容を十分に議論せずに上司が決裁したことも、問題点として挙げた。その上で、再発防止策の一つとして、特捜部の取り調べを試験的に録音・録画する「取り調べの可視化」を挙げた。

 しかし、報告を受けた法相の諮問会議のメンバーからは「問題点を小さくしようとしている」と厳しい意見も出ており、改革の方向性については議論が続く。