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基地移設問題、日本全国で解決を~仲井真氏

2010年11月29日 2:38
基地移設問題、日本全国で解決を~仲井真氏

 任期満了に伴う沖縄県知事選挙が28日に行われ、アメリカ軍普天間基地(宜野湾市)の移設問題で「県外を求める」と主張した現職・仲井真弘多氏が再選を果たした。再選後、仲井真氏は「日本全国で、普天間基地の移設について、解決を見いだしてもらいたい」と述べた。

 33万5708票を獲得し、前宜野湾市長・伊波洋一氏に約4万票の差をつけた仲井真氏の事務所は、28日午後11時半ごろは支持者であふれ、勝利に沸いていた。伊波氏は29万7082票、新人の団体職員・金城竜郎氏は1万3116票だった。普天間基地の移設問題で「県内移設反対」と明言しなかったものの、「県外を求める」と転換した現職知事の姿勢に県民が一定の評価を与えた形。

 仲井真氏「県内(移設)は非常に厳しいと申し上げたから、県内には(移設先は)ないですからね、事実上。しかも、安全保障については何も米軍は沖縄のためだけにいる訳じゃない。日本全体のためだから。日本全国で、普天間基地の移設について、解決を見いだしてもらいたいということです」

 仲井真氏は、自公政権の下では普天間基地の名護市辺野古への移設を条件付きで容認する姿勢を示していた。しかし、今回の選挙戦では「県外移設を求める」立場を主張した。普天間基地移設問題で「県内移設反対」を主張した伊波氏との違いが見えにくくなったが、経済政策の実績をアピールし、現職の強みを生かした。沖縄県の厳しい経済や雇用の問題を背景に、沖縄振興策の充実を求め、政府との対話を維持する姿勢に支持が得られたと言える。

 一方、敗れた伊波氏は、本来得意だったはずの普天間基地移設問題で主張の違いが伝わらず、同じように有権者に受け止められたと悔しさをにじませた。「仲井真氏には県外移設を実現してもらいたい」と注文を付けた。

 仲井真氏は、普天間基地移設問題で「県外移設を求める」と公約して当選した以上、政府が期待する名護市辺野古への移設を前提にした協議の場に簡単に乗ることはできない。今後は、政府との対話の中で、県外移設を求める仲井真氏の本気度が問われることになる。