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船長の母親「日本の言うことはデタラメ」

2010年11月6日 10:37

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したとみられる映像がインターネット上に流出した問題で、衝突した漁船の船長の自宅を5日に訪ねると、母親が取材に応じ、「日本の言うことはデタラメ」と答えた。

 船長が暮らす中国・福建省の漁師に流出した映像を見せると、「中国の船からぶつかっている」「(日本の)船が(中国の)船を遮ったから、仕方なくぶつかった」などと、衝突事件は船長の船からぶつかったと認めた。

 船長の自宅では、船長は不在だということで母親が取材に応じた。母親は「日本の言うことはデタラメ。息子に無実の罪をきせてはなりません」と話し、ビデオの内容を聞いても、内容を信じようとしなかった。母親はまた、「日本の船からぶつかってきたのは間違いない」と、息子をかばう言葉を繰り返した。

 一方、中国外務省は5日夜、「ビデオでは事実を変えられず、また、日本の行為の違法性を覆い隠すことはできない」とする談話を発表した。中国は、尖閣諸島は中国の領土だと主張し続けていて、映像という動かぬ証拠があっても衝突事件の責任は日本側にあるという立場を崩していない。

 関係修復に向けて歩み出した日中関係を揺るがす事態に、来週、横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で日中首脳会談が行われるかは不透明な情勢といえる。