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中国外務次官、日本側の対応を注視する姿勢

2010年11月5日 21:50

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、海上保安庁の巡視船が撮影した衝突の瞬間とみられる映像がインターネット上で公開されたことを受け、中国政府はこれまでのところ正式なコメントを出していないが、前駐日大使・崔天凱外務次官は5日、「日本に誠意があるなら、日中間の困難を解決し、最大限の努力をすべきだ」として、日本側の対応を注視していく姿勢を示した。

 中国国内では、動画投稿サイトに衝突の映像が流された。映像を見た市民からは、反発の声が上がっている。一方、一部の市民からは「ぶつかったのは中国漁船だ。事実なら謝るべきだ」とショックをうけている様子もうかがえた。

 中国政府は元々、尖閣諸島は「中国の領土」であり、「日本がそこで法を執行した」こと自体が違法だとする立場だが、映像流出によって日本国内で対中批判が高まることを警戒し、慎重なコメントに終始している。

 また、動画をアップした中国国内のサイトが次々と削除されるなど、中国当局が規制をかけていることがうかがえる。先月から国内で相次いだ反日デモが再び勢いづく事態を避けるため、情報統制をかけて国内世論を注意深く見守っているとみられる。