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G20閉幕 「通貨安競争」回避で一致

2010年10月24日 1:15

 韓国・慶州で行われていた20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が23日午後に閉幕した。自国の通貨を安値に誘導するいわゆる「通貨安競争」を避けるとする表現が盛り込まれた。

 共同声明には、「通貨安競争」を避ける表現が具体的に盛り込まれた。議長国・韓国は、「これで為替レート論争は収束する」と、会議の成果を高く自己採点した。

 今回のG20の合意内容の一つは、主要通貨を持つアメリカ、欧州連合(EU)、日本などが為替の過度な動きを監視すること。野田財務相は「(為替の変動で)必要なときは適切な協力を行うと意味。問題意識を共有できたということは。一定の前進になっている」と述べ、日本だけでなく、EU、アメリカも円高に責任を持つことから、円相場がより安定するという楽観的な見方を示した。

 また、アメリカは大きな成果として「貿易収支など、国家間の不均衡問題の解決」を挙げており、中国も含めた20か国が合意したということを評価したい考え。

 数値目標こそ導入できなかったものの、経常収支について各国間でバランスをとると合意できたことで経常収支で大きな黒字を出す中国に人民元をより切り上げさせる道筋がつくれたという受け止めた形。

 各国の少なくとも表面的には楽観的な自己評価ではあるが、為替問題、経常収支問題、どちらも具体策なルールづくりまでは至っていない。11月の首脳会談に向けてどこまで具体化できるのかが問われている。