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反日デモが起きた中国・綿陽で厳戒態勢に

2010年10月19日 0:45

 反日デモが起きた中国で取材を続けてきた藤田和昭記者が、四川省成都から18日の街の様子を伝える。

 大規模なデモが17日に起きた綿陽では、あちこちで警官が警備をしていた。記者が四川省綿陽の繁華街でデモの状況について市民から話を聞いていた際、警察に拘束された。警察は、ほかの日本メディアも数時間にわたって拘束したと話していて、成都に向かう途中まで警察車両で付き添うほどの厳戒ぶりだった。報道を力ずくでも封じ込めたいと当局が敏感になっていると言える。

 今回、デモに参加しなかった市民からは、過激化するデモに批判的な意見も支持する意見もあった。ただ、デモで襲撃された店は日本に関係するとはいえ、そこで働いているのは地元の中国人。「打倒日本」や「日本製品ボイコット」を叫べば、何をしても許されるような雰囲気だったと目撃者たちも話している。

 この点を見ると、中国国内での反日感情の根深さとともに、例えば貧富の格差や政府への不満といった不満要素をデモに乗じて発散させた可能性もあると言える。