×

ロンドンの新たなトレンド…車いすマネキン

2010年10月3日 11:21

 イギリス・ロンドンは、アメリカ・ニューヨークやフランス・パリと並ぶファッション情報の発信地。有名デザイナーによる来年の春夏コレクションのショーが行われる中、街角でも、新たなトレンドを作ろうという動きが生まれている。

 ロンドンで最もにぎわうオックスフォード通りで、この秋、あるデパートが今までにない試みを始めた。着飾ったマネキンが座っているのは…車いす。ディスプレー用に、同じ材質でつくられたものだ。

 アイデアを出したのは、ソフィー・モーガンさん(25)。事故が原因で、車いすの生活になって7年。街のディスプレーに障害者の姿がないことに気づいた。社会の一員として存在していないような疎外感を変える方法はないか、と思い立ったという。

 デザインに関しては素人だが、ミニチュアをつくって店に説明して回る中、全国展開するデパートが賛同してくれた。ソフィーさんは「車いすは障害者を象徴するものだから、『障害者も大切な客だ』という店のメッセージになるわ」と話す。

 ロンドン西部の住宅街にある洋服店のオーナー・ケイティさんは、車いすのデザインの美しさが気に入ったという。使い始めると、車いすで店を訪れる客におしゃれの提案もしやすくなったとか。

 ソフィーさんは今、ミニチュアを片手に営業に力を入れている。「多くのお店に置いてもらえるようにすることが次の目標です。大変だけど頑張るわ」。

 出番を待つ「車いすのマネキン」。次は日本の街角を飾ることになるかもしれない。