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NPT会議、最終文書の議長案を配布

2010年5月28日 13:11
NPT会議、最終文書の議長案を配布

 アメリカ・ニューヨークで開かれているNPT(=核拡散防止条約)の再検討会議で、「最終文書」の議長案が各国に配布された。全会一致で採択できるかどうかは、イランの出方にかかっている。

 会議の終盤、台風の目になったのは核兵器開発疑惑の渦中にあるイランだった。自らの核開発は「平和利用の権利だ」と主張する一方で、中東の非核化をめぐる問題ではイスラエルの名指しにこだわり、アメリカとの対立が続いた。こうした中、議長は、これまでの意見を集約した最終文書の案を各国に配布した。核を持つ国と持たない国が激しく対立した核軍縮の目標期限の設定については「大多数の国が期限を設けるべきだと信じている」という表現に和らげられている。また、日本が主張してきた北朝鮮の核実験を非難する文言やIAEA(=国際原子力機関)による査察を強化する「追加議定書」に関する記述は盛り込まれた。一方、イランの反発に配慮して「イラン」を名指しする部分はない。

 最終文書の採択は全会一致が原則なだけに、イランの出方が注目されている。