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訪中の北朝鮮・金正日総書記、北京に到着

2010年5月5日 19:11

 中国を訪問している北朝鮮・金正日総書記が日本時間5日午後、首都・北京に到着した。5日か6日中にも胡錦濤国家主席らと会談するものとみられる。

 金総書記は訪問3日目の5日朝、特別列車で天津に到着した。郊外の経済開発区を視察したものとみられる。その後、日本時間5日午後4時半に、金総書記を乗せたとみられる車の列が北京中心部に入った。

 金総書記と胡国家主席の首脳会談は、双方とも友好ムードを演出することになるのは確実だが、腹のうちは異なる。金総書記の最大の目的は、経済的な援助の獲得だ。去年末の通貨改革が失敗し、経済の混乱が伝えられる中で、北朝鮮はこのところ、「外国資本の誘致」を目指す姿勢をアピールしている。こうした政策を中国側に説明しながら、支援と資本参加を取り付け、国際社会からの包囲網を少しでも緩めたいところだ。また、後継者に推す動きが進んでいる金総書記の三男・ジョンウン氏について、今回の訪問に同行させたのか、そして中国側にどのように説明するのかが注目される。

 一方、中国側はその支援をテコに核問題で北朝鮮から譲歩を引き出すことを狙っている。6か国協議の議長国としてのメンツを懸け、金総書記の口から「協議に復帰する」という言質を取りたいところだ。