×

北朝鮮、金剛山の韓国政府の資産没収を発表

2010年4月23日 18:29

 北朝鮮は23日、韓国と共同で行っている金剛山の観光が中断していることに関連して、韓国政府が所有する資産を没収すると発表し、南北融和の象徴だった観光事業は存続の危機を迎えた。

 金剛山には、南北で離れ離れに暮らす離散家族の面会所や韓国企業が建設したホテルなどがある。北朝鮮は、08年に韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺された事件をきっかけに観光が中断していることを非難し、揺さぶりを強めていたが、韓国側は「射殺事件の原因究明」や「再発防止」を求める姿勢を崩さなかった。

 北朝鮮は23日、韓国政府が所有する離散家族面会所と消防署、韓国政府系の機関である観光公社が所有する文化会館と温泉、免税店の5施設を没収し、北朝鮮が所有するか、新たに観光事業を始める業者に譲渡すると宣言した。また、民間企業が所有するホテルなどすべての施設を凍結し、管理要員を追放するとしている。

 発表は「金剛山観光の道は永遠に途切れることになった」としており、南北融和の象徴である観光事業は存続の危機を迎えた。