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普天間問題、首相に起死回生策は?記者解説

2010年4月19日 22:45
普天間問題、首相に起死回生策は?記者解説

 調整が難航しているアメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題。鳩山首相に起死回生の策はないのだろうか。政治部・青山和弘記者が解説する。

 鳩山首相は19日午後、記者団に対して「政府案はまだ決まっていない」と繰り返した。政府関係者は「逆転ホームランなどない」と口をそろえている。

 政府内では、新たな移設先が決まらなければ普天間基地が返還されずにそのままになるか、自民党政権時代にアメリカ政府と合意した辺野古(沖縄・名護市)沿岸部への移設に戻すしかないとみられている。首相周辺は「最後まで鳩山首相が県外にするために体を張ったと言い続けるのが大事だ。最後は辺野古沿岸もちょっとは考えている」と話している。

 しかし、沖縄の期待を高め、日米関係を悪化させただけで元に戻すというのであれば、政治責任が問われるのは必至。鳩山首相自身が「来月末」という期限を決め、命懸けで交渉すると言い切ってきたため、新たな移設先で決着できなければ、鳩山首相の辞任論が出るのは避けられない見通しだ。

 ただ、民主党内には「首相をすぐに交代させるべきではない」という意見は根強くある上、平野官房長官は19日朝、「進退の問題は全くない」と予防線を張っている。しかし、すでに2割台に落ち込んだ内閣支持率がさらに下落すれば党内が動揺するのは確実で、鳩山首相は重大なピンチを迎えることになる。