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裁判員制度、「保護観察」37%→59%

2010年4月17日 10:08
裁判員制度、「保護観察」37%→59%

 裁判員制度がスタートして来月で1年となるのを前に、最高裁は16日、全国の裁判員裁判の実施状況について公表した。一般市民が裁判に参加したことで、執行猶予のついた判決に「保護観察」がつくケースが目立って増えていることがわかった。

 最高裁によると、裁判員裁判で先月までに判決を受けた被告人は444人で、全員が有罪判決を受けている。また、執行猶予つきの判決で、保護観察官から定期的に指導を受けることを義務づける保護観察がついたケースは従来の裁判では37%だったが、裁判員裁判では59%に上った。最高裁は「裁判員は、被告人の社会復帰や更生に強い関心を持っている」と分析している。

 また、最高裁が今年初めに約2000人に行った意識調査では、裁判員裁判に参加意思のある人は62%にとどまった。これは、08年の調査と比べてほとんど変わっていない。しかし、裁判員経験者へのアンケートでは、選ばれる前は参加に消極的な人が56%いたのに対し、裁判員を務めた後には97%が「良い経験と感じた」と答えた。

 最高裁は「こうした経験者の声を集めて、国民に広く知らせることで裁判員裁判への参加意欲を高めていきたい」と話している。