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リコール問題 トヨタ社長、米公聴会で証言

2010年2月25日 8:50

 24日、「トヨタ自動車」のリコール問題をめぐるアメリカ議会の公聴会に豊田章男社長が出席し、証言を行った。

 豊田社長は、大勢のマスコミに囲まれて会場入りし、偽証しないという宣誓を行った後、5分ほどの声明を英語で読み上げた。

 豊田社長「トヨタはこの数年間、急速にビジネスを拡大させてきました。素直に言って、我々の成長のペースが速すぎたのではないかと考えています。(その結果)良い製品をつくるため、お客様の声を聞くという我々の基本姿勢がいくらか弱まっていたのです」

 豊田社長は、事業の急速な拡大が大規模リコールにつながったとの認識を示した上で、「安全・品質」を最優先する基本理念に立ち返るとの決意を語り、リコール対象車による死亡事故については陳謝した。

 急加速の原因については、電子制御システムの不具合ではないのかと厳しい指摘が相次いでいるが、豊田社長は「問題はない」との立場を繰り返した。

 豊田社長「電子スロットルは、少しでも異常があれば燃料供給を停止する。いわば安全第一のコンセプトで設計している。また、それは大変厳しい社内の調査でも、アメリカ当局の調査でも、これまで誤作動は見つかっていないので、設計上の問題はないと確信している」

 タウンズ議長「問題があるかどうか、イエスかノーで答えてください」

 豊田社長「私は技術屋ではないので、細かい説明はできません」

 また、隠ぺい体質があったのではないか、との指摘には、「アメリカの監督省庁とも情報を共有している」などと述べ、否定したが、発言の内容次第でトヨタ批判が強まる可能性があるだけに、全体的に慎重な物言いに終始した。

 今回の証言でトヨタがアメリカでの信頼を回復することができるのか。全米が注目している。