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フォークランド沖で英企業が油田採掘

2010年2月24日 8:53

 イギリスとアルゼンチンが領有権を主張する南米・フォークランド(アルゼンチン名:マルビナス)諸島沖で22日、イギリスの企業が調査用の油田採掘を始め、過去に戦火を交えた両国の対立が再び表面化している。

 イギリスの開発会社「デザイア・ペトロリアム」は22日、フォークランド諸島北部の沖合で、原油や天然ガスの埋蔵量について調査するための採掘作業を始めた。

 これについて、アルゼンチン・フェルナンデス大統領は、イギリスの行為は国連決議にも反するとして非難するとともに、周辺海域を航行する船舶に事前の許可を求める大統領令を発令した。

 一方、イギリス国防省は、外交ルートでアルゼンチン側とは接触しているとしながらも、「これは完全に合法的な商業活動だ」との立場を示している。また、ブラウン首相も「島民を守るためのすべての必要な措置は取った」とけん制した。

 フォークランド諸島は19世紀前半からイギリスが実効支配を続けており、82年には領有権をめぐってアルゼンチンとの間で戦火を交え、双方で計900人以上の死者が出ている。