×

平野官房長官の発言に与党内からも批判の声

2010年1月27日 17:38
平野官房長官の発言に与党内からも批判の声

 アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題で、平野官房長官が沖縄・名護市の市長選挙の結果を「斟酌(しんしゃく)する必要はない」と発言した上、地元の合意がなくても移設先を決める可能性を示したことに波紋が広がっている。鳩山首相は「冷静に見守っていただきたい」と沈静化に躍起だが、沖縄や野党だけでなく、与党内からも批判の声が上がっている。

 自民党・大島幹事長「何をそんなに強権的になるんだ。(発言を)撤回されたほうがいいと思う」

 国民新党・下地政調会長「今の沖縄の基地を抱えている立場からすると、非常に納得できない」

 平野官房長官がさらに、地元の合意が得られなくても法律に基づいて国が移設を進める可能性にまで言及したことには、ある官邸関係者も「不用意な発言だ」と批判している。

 平野官房長官には、5月末の期限までにアメリカ政府のみならず、移設先までを納得させるのは極めて難しいとの認識がある。政府関係者の一人は「結局、(名護市)辺野古しかないとわかっているのだろう」と指摘し、市長選の結果を受けても辺野古の可能性を残すという思惑もある。しかし、地元の猛反発は必至で、ある政府高官は「平野発言で普天間問題は余計に難しくなった」と話している。