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中国の国産空母の建造、最前線を報告

2010年1月10日 23:56

 中国が進めている国産空母の建造計画について、2つの空母艦隊をつくろうとしているなど内容の一部が明らかになった。これまで秘密裏に進められてきた空母建造の最前線を上海支局・藤田和昭記者がリポートする。

 国産空母の建造を進める中国。その開発拠点とみられる施設は、海から遠く離れた内陸部の武漢にあった。NNNはこの施設をテレビ局として初めて撮影することに成功した。空母の巨大な模型は、甲板の形が旧ソ連の空母に似ており、中国が建造を進める空母も同じような形になるとみられている。この施設は、所在地さえ公にされないなど厳戒態勢がとられていた。

 また、空母が造られているとみられている上海の長興島造船所を突き止めた。造船所は取材に対し、「軍事機密で何も言えない」と詳細を明かさなかったが、職員たちは空母の建造が進められていることを認めた。

 人民解放軍の幹部は中国の新聞に対し、2隻の空母建造を進めていることや艦載機のパイロットの訓練を始めていることを明らかにした。空母建造の具体的な内容が明らかになったのは初めて。中国の専門家は、空母建造の意義を「国際的な地位を高めるためのシンボル」と説明している。しかし、国際社会からは軍事バランスが変化することへの懸念が上がっている。

 中国にとって「夢」といわれてきた空母の建設。今、その「夢」が徐々に形になろうとしていることに、国際社会が懸念を強めている。